2016.11.27

訪日客誘致、首都高走る PAを活用 多言語タブレット導入、ビジネス外利用促す

2016/10/19 3:30日本経済新聞

首都高速道路(東京・千代田)が訪日観光客の首都高利用を促すため、パーキングエリア(PA)に新サービスを導入する。通訳機能を持つタブレットを導入して多言語の問い合わせに対応するほか、インターネットで情報発信も始める。これまでビジネス利用が主体だったが、2020年東京五輪も見据え、夜景を楽しめるドライブコースといった利用も見込む。

対象となるのは平和島(東京・大田)や代々木(同・渋谷)、加平(同・足立)、八潮(埼玉県八潮市)、川口(同県川口市)、市川(千葉県市川市)、大黒(横浜市)の7PA。首都高の全20PAの中では接客スタッフがいて比較的規模が大きい。

17年1月にも英語や中国語の声を認識して日本語訳を表示するタブレットの導入を始める。20年までに需要に合わせて最大で10~20台を配置していく。周辺の道案内や軽食メニューの注文補助などに使えるようにし、語学が得意でないスタッフも外国人を接客できるようにする。

併せてインターネットでPAなどの情報を英語で発信し、観光バスやタクシーを使ったドライブ需要を喚起する。走行中に見える東京タワーや高層ビル群など、高架ならではの夜景スポットに注目してもらう。

特に、レインボーブリッジと横浜ベイブリッジ、複雑なループ構造の大橋ジャンクションは国内でも有数の大規模な構造物。海外では珍しいといい、構造物の迫力を間近で感じたり、橋の上からの景色を楽しんだり、といった魅力をアピールする。

休憩地点としてPA利用も促す。夜景の写真や大規模構造物をかたどったPA専用の土産品を開発し、関連商品の売り上げ増を図る。

ほかの高速道路会社では東名高速などにあるサービスエリアやパーキングエリアを商業・観光施設に改装する動きが進む。首都高はビジネス利用客が平日で8割弱を占める。

用地にも制約があるため大規模な飲食・物販を備えた休憩施設はなかったが、訪日観光客の増加で観光バスなどの通行量は増えていた。

首都高でドライブ需要を喚起すると、渋滞がさらに激しくなるためこれまでは慎重な姿勢だった。ただ、圏央道など都心を迂回するルートが相次ぎ開業し、一部の路線では通行量が減少している。首都圏の環状道路の整備が進むと、交通量はさらに減少するとみられる。

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